公認会計士になるための勉強方法とは?ポイントを抑えて合格を目指そう!
公認会計士の資格を取得するには難易度も高く合格に必要な勉強時間は4,000時間以上を要するともいわれています。どんな勉強方法で資格取得を目指し学習していけばいいのか、悩んでしまう方もいるでしょう。勉強方法のコツをつかんで効率よく学習したいですよね。そこで今回は公認会計士になるための勉強方法について詳しく紹介していきます。
もくじ
公認会計士資格を取得するための勉強方法
公認会計士資格を取得するためにおすすめの勉強方法を紹介します。
同じテキスト、問題集を何度も繰り返す
公認会計士資格を取得するためには、テキストや問題集など同じ教材を何度も繰り返します。同じことを何度も繰り返す反復演習は勉強においてとても大切なポイントです。人間の脳は何度も目にしたものを大切なものだと認識する習性があります。
さまざまな勉強方法を調べてみることも大事ですが、勉強方法にはそもそも人によって合う、合わないがあります。自分に合った勉強方法を探すのに時間を割くのであれば何度も同じテキスト、問題集を繰り返し脳に大切なものだと思いこませ勉強をしましょう。
答案練習を取り入れる
予備校などでは本番の試験とそっくりな答案練習を取り入れています。制限時間を設けて答案練習を何度も繰り返し行うことで、現時点の自分の状況をしっかりと把握できるでしょう。今の自分のレベルや試験に合格するためには何が必要なのかを分析し、合格に必要な対応策を考えることができます。
また答案練習はその都度点数にこだわってみましょう。目標を定めることができ、モチベーションの向上や学習の質を上げることができます。
公認会計士を独学で勉強することは可能?
公認会計士は国家試験の中でもとても難易度が高い資格です。合格までに必要な勉強時間は約4,000時間といわれており、数年間かけて資格取得を目指す試験です。
最難関資格ともいわれている公認会計士を独学で勉強することは非常に難しくあまり現実的ではないでしょう。予備校であればカリキュラムに基づき学習計画をたて勉強できます。しかし独学ではすべて自分で学習計画をたて勉強しなければいけないため、学習ペースを中々うまくつかめず長引いてしまうこともあるでしょう。
さらに学習内容についても公認会計士試験で行う勉強は非常に専門的であり、なかなか内容を理解することが難しいことが予想されます。自分で教材やテキストを手に勉強をしても中々理解できずに時間を費やしてしまう可能性も否めません。疑問がわからないままになってしまえば学習が停滞してしまう原因にもなります。
予備校や通信講座であれば、わからないことは講師や仲間に聞くことができます。仲間をライバルとして意識することでさらにやる気が起き、モチベーションを高めることもできるでしょう。独学ではそういった存在がないこともあり、モチベーションを維持するためには自分で目標を立て達成したら何かご褒美を用意する、といったような工夫が必要です。
また合格できたら何をしたいのかリストを作っておくのもよいでしょう。何が食べたい、どこにいきたいなどをリストにまとめて目に見える形にしておくことでモチベーションを刺激できます。公認会計士を独学で勉強することは不可能ではありませんが、相当の時間と労力そして覚悟が必要になるでしょう。
公認会計士試験に失敗してしまう人の特徴
残念ながら公認会計士試験に落ちてしまう人たちの中には、共通する特徴があります。
習慣にできない人
公認会計士試験に失敗してしまう人の特徴は習慣にできない人です。公認会計士を目指すには勉強に身を捧げる覚悟を持つ必要があります。
試験勉強を毎日習慣化できずにさぼってしまう、挫折してしまうなどのことがあればライバルに差をつけられてしまうでしょう。長期戦になる試験勉強は休んでしまいたいと思うこともあるかもしれませんが毎日勉強する習慣をつけておくことが大切です。
ノートを一生懸命にとる人
試験勉強をする時にノートを一生懸命にきれいにまとめる人は試験に失敗してしまう可能性があります。ノートに書き写すことでつい勉強した気分になってしまいがちですが、きれいにまとめることに夢中になり知識を吸収することがおろそかになってしまうケースがあるからです。
ノートに書き写す時間があれば、その分テキストを何度も読み返すことに時間を費やしましょう。公認会計士の試験範囲は膨大です。少しの時間も無駄にしないことを心掛けましょう。
授業を聞いていれば安心ではない
授業を聞いていれば勉強はできていると安心してしまう方は注意が必要です。授業は講師によって教え方にも差がありムラが生じることもあります。
また集団で学習を進めていくので内容はクラスのレベルに合わせた授業が展開されています。自分のペースで学習を行うことはできず、効率よく勉強できない場合もあるでしょう。
「授業を聞いていれば安心してしまう」「勉強をした気になり満足してしまう」といった方は試験に失敗しやすいでしょう。学習は自分の理解を深めるために自分のペースにあった勉強を行うことをおすすめします。
1日・1発合格に必要な勉強時間の目安
公認会計士試験の合格に必要な学習時間は3,500時間が一つの目安といわれています。もちろん難関資格なので、すべてに人にとって一概に〇〇時間学習をしたら合格できるという訳ではありません。
公認会計士試験は受験資格もなく、誰でもチャレンジできる資格。公認会計士試験を初学で始める方も多く、受験期間の設定を1.5年から2年とする方が一般的です。一発合格者の1日あたりの勉強時間の目安は期間を2年と設定すると、入門・基礎の時期で約6時間、応用・発展の時期(上級時期)で約9時間程度といわれています。
多くの学習時間が必要なわけ
公認会計士試験は試験範囲がとても広いのが特徴です。会計士としての実務に直結する知識を試験でも問われます。多くの方は初学で学習をスタートするので、基礎からしっかり学ぶ必要があります。
また、試験が絶対評価ではなく相対評価の競争試験というのも特徴です。基準点を超えたら合格という訳ではなく、成績上位者から合格が出るため、ライバルの頑張り次第で、合格ラインが変動してしまいます。このような受験生同士の競争があるという側面も多くの学習時間の確保が必要な理由のひとつです
科目別に見る勉強時間の目安
公認会計士試験の種類と科目について
公認会計士試験は短答式試験と論文式試験の2つにわかれており、それぞれで受験すべき科目が決まっています。短答式試験の科目は『財務会計論(簿記)』『財務会計論(財務諸表論)』『管理会計論』『監査論』『企業法』の4科目(財務会計論が2種あるので実質5科目)、論文式試験は『会計学(簿記・財務諸表論・管理会計)』『監査論』『企業法』『租税法』と選択科目(経営学・経済学・民法・統計学から1科目)の5科目(会計学が3種あるので、実質7科目)からなります。
短答式試験・論文式試験共通は簿記・財務諸表論・管理会計論・監査論・企業法の5科目です。勉強のウエイトはこの5科目に集まります。
重要科目
主要な5科目の中でもとくに重要なのは、『財務会計論』です。財務会計論は、計算と理論の両方が出題されます。また、短答式試験、論文式試験共に他の科目よりも2倍の配点設定となっており、合否に大きく影響します。勉強時間としてはこの科目の学習時間を多くの時間を割くことが必須です。
合格までのトータル学習時間を3,500時間としたときに、最重要科目である財務会計論は約40%の1,400時間を目安に、残りの科目の『管理会計論』、『監査論』、『企業法』、『租税法』はほぼ同じくらいの約450時間、選択科目は『経営学』を選択することがほとんどでこの科目は300時間の学習時間で習得の目安となります(選択科目の中で一番対策しやすい)。
勉強時間は人によって異なる
環境別の学習期間の目安
公認会計士試験は、学生のうちに資格取得のための学習を始める方も多くいるのも特徴の一つです。比較的時間に余裕のある大学生などは短期間での合格を目指すという選択肢もあります。
大学生でサークルやアルバイトなどの学生生活を満喫したい人は1.5年〜2年での設定。受験一本に専念できる方は1年〜1.5年という設定も可能になります(短期合格を目指す場合でも2,500時間は必要といわれます)。
社会人は3年を目安に
働きながら公認会計士試験を目指す社会人だと、学習時間がなかなか確保できないので、3年を目安に学習計画を立てるのが目安となります。平日でも5時間程度を確保し休日など時間が取れる日には10時間近くの学習時間を確保することで合格につながります。
大学在学中の取得がおすすめ
ある程度まとまった時間が確保でき、大学受験の経験から学習習慣を作りやすいという意味で公認会計士試験の学習は大学在学中、かつ1年生のうちからスタートすることがおすすめです。大学1年生からスタートさせて2年間のスケジュールを立て大学在学中で合格をさせることで、早い段階で自分の将来について検討することも可能となります。
公認会計士になるまでの大まかな流れを把握しよう!
公認会計士になるまでには、どんな手順があるのでしょうか。おおまかにいうと、「試験」「就職」「登録」の3つの段階に分けることができます。この3つの中で一番難しいとされているのが「試験」です。これを突破できなければ、公認会計士にはなれません。
試験は「短答式試験」と「論文式試験」の2種類あり、短答式試験の合格者が論文式試験を受験できます。また、公認会計士試験のための学習時間は一般的に1.5年〜2年間、社会人の場合はそれに+0.5年〜1年間必要だとされています。
そして試験に合格したら、次は「就職もしくは転職」です。どこで働くのかというと、「監査法人」で働くのが一般的です。公認会計士の独占業務である「財務諸表監査」は組織的なチームを組んで行う必要があります。そのため、「監査法人」という会社の会社員として働くことになります。およそ、その年度の合格者の約9割が監査法人へ就職するといわれています。
そして最後の段階である「登録」です。「公認会計士」と名乗るためには、「日本公認会計士教会」への名簿登録が必要となります。
そして、登録には、「業務補助」「実務補習」「修了考査」の3つの要件があります。「業務補助」は、公認会計士や監査法人などを2年間以上の間補助することであり、合格の前後は問いません。「実務補習」は、実務補習所の講習を受けて単位を取得することで、通常3年かかります。「修了考査」は実務補習の修了試験であり、年1回行われます。
よって、すべての要件を満たすのに、最低3年間かかります。これらを経て、晴れて「公認会計士」になることができます。
公認会計士予備校はいつ頃入学するべき?
公認会計士試験向けの予備校には、いつでも入学できます。予備校にはさまざまなコースがあります。たとえば、「1.8年短期合格コース」や「4月入学コース」といったものです。コースは季節ごとに用意されているので、入学時期がずれても予備校が対応してくれます。
ではいつ入学するのがベストなのかという疑問が浮かびますが、その答えはやはり「公認会計士を目指そうと思った時」だといえます。思い立ったが吉日、いつ入るか悩む暇があるなら、その時間も勉強に充てた方がよいでしょう。
しかし、最短で合格を目指すという意味では、12月あたりの入学がおすすめだといえます。なぜなら、公認会計士の1次試験にあたる短答式試験は5月と12月に行われ、2次試験にあたる論文式試験が8月に行われるので、12月に短答式試験を合格し、翌年の8月に論文式試験に一発合格するというのが最も多いパターンだからです。
ちなみに、5月の短答式試験に合格して、直後の8月の論文式試験に合格するのは、3か月しか準備期間がないためかなり厳しいです。また、短答式試験に合格するためにもかなりの勉強量は必要なので、短くても1年ほどの勉強期間は必要であると考えられます。
ですので、できるだけ短期合格を目指したいという方には、12月に予備校に入学して、1年後の短答式試験にチャレンジするというパターンが理想的ではないかといえます。
公認会計士予備校を選ぶ上で意識するべきポイント
それでは公認会計士予備校を選ぶ際に、どんなところを意識すればよいのでしょうか。
1つ目は「通学スタイルかWEBスタイルかを選択できるか」ということです。公認会計士の試験対策の講座としては、通学スタイルかWEBスタイルの2種類に分けられます。
通学スタイルだと、「強制的に勉強する環境や時間を作れる」、「講師へ質問しやすい」というメリットがあります。一方WEBスタイルだと、「勉強する時間や場所を自由に選べる」、「講座動画を2倍速で見たり、何度も繰り返して見たりできる」というメリットがあります。どっちが向いているかは人によってさまざまですので、自分に合った勉強のスタイルを選べるとよいでしょう。
2つ目は「授業料が高すぎないか」ということです。いくつか予備校を比較したときに、他の予備校に比べて圧倒的に高いところは選ばない方が無難です。料金が高い分、質のよい講座をしてくれるというようにも考えられますが、コストパフォーマンスのことを考えると、授業が高すぎると後で後悔する可能性が高いです。
3つ目は、「質問に答えてくれる体制が整っているか」という点です。とくにWEBスタイルを選ぶ人に意識してほしい点です。WEBスタイルだとひとりで勉強することになるので、疑問点が浮かんだときに、メールや電話などで質問に回答してくれるサポートがあるかということが非常に重要になってきます。また、質問回数の制限がなく、すぐに答えてくれるかというところもチェックしておきたいポイントです。
いかがでしたか?今回は公認会計士になるための勉強方法におけるポイントを紹介しました。受験に合格するため、時間の使い方を意識しながら効率よく学習をすすめていきましょう。自分に合った勉強方法を見つけて公認会計士の資格取得を目指してみてくださいね。