AIに仕事を取られる?公認会計士の将来性や影響について
情報技術の進歩に伴い、さまざまな職業がAIに代替されるといわれるようになっています。今回の記事では、公認会計士の将来性や影響について紹介します。これから試験を受験しようと考えている人や、士業の仕事に関心がある人は参考にしてください。活躍できる範囲が広いのが魅力的な職業といえるでしょう。
公認会計士の仕事をAIにとられる可能性はある?
単純作業はAIやサポートスタッフが行う可能性があります。しかし、専門家としての能力を発揮する場面が多いので、今後も仕事を奪われることはありません。
業務の一部は代替される可能性がある
業務のすべてがAIにとられるわけではなく、監査業務のなかの一部を代替される可能性はあります。そして、すべての業務をAIが担うのは難しいといわれています。現在は、AIというよりも統計データを利用して監査業務を実施している監査法人が見受けられますが、将来はAIが導入される可能性が高くなっています。
AIに代替される可能性は低い?その理由とは
6つの視点からその理由を紹介します。業務の幅が広いので、すべての業務をAIが代替するのは難しいといわれています。
既得権益が強い
会計事務所には世界中から人や物などが集まっているので、影響力が非常に大きいのが特徴です。また、公認会計士協会は金融庁の傘下にあるので、国内でも影響力が大きくなっています。情報技術が進歩しても人による影響は大きいことが予想されるので、AIに仕事を奪われる可能性は低いといわれています。
人の判断能力が必要
会計処理の業務では、勘定科目を入力して仕訳しますが、機械だけで判断するのが難しい場面があります。そのようなときは人の判断能力が必要なので、公認会計士がいなくなることはないでしょう。ただし、ある程度の大枠を作成しておくことで、AIと協力しながら業務を推進することになるでしょう。
顧客と信頼関係を構築する必要がある
顧客が会計処理の業務を円滑にしてもらいたいと望んでいる場合でも、顧客によりニーズはさまざまです。たとえば、税の申告に必要な書類を作成するだけで良い場合と、節税や投資を含めた相談にも乗ってもらいたいと考えている場合があるからです。
特に後者の場合は、AIが代替するのは難しいでしょう。潜在ニーズと顕在ニーズの違いを知ることや、顧客が本当に悩んでいることを知るためには、顧客の感情を読み取る能力と円滑なコミュニケーションも必要だからです。
活動範囲が広い
監査業務に従事しているだけではなく、公認会計士は活動範囲が広いのが特徴です。コンサルティング会社、一般事業会社、独立開業など、自分の希望と能力に応じてさまざまな働き方を選択できるので、すべてをAIに代替される可能性は低くなっています。
業務に精通している必要がある
AIを導入するためには、公認会計士の業務に精通していないと難しいでしょう。どのような場面でAIが必要なのか分からないからです。そのため、AIを導入するために公認会計士が必要になります。単純計算するとむしろ人数が増える可能性があります。
AIでも不正は無くせない
これまでの不正には対応できますが、新たな不正に対応するのは難しいでしょう。そのような場面では人の判断能力が求められています。
AIに代替される部分も!作業の効率アップが期待できる?
単純作業は専門家でなくても取り組めます。
単純作業の業務
確定申告や決算書の作成はAIに代替される可能性があります。すでに機械化されているサービスも流通しています。
エクセルを使用した計算
公認会計士ではなくてもできる業務はAIに代替される可能性があります。すでに海外のスタッフや公認会計士の資格を保有していないスタッフが担当している場合があります。
公認会計士にとって重要なことは何か
2つの重要なことを紹介します。人が求められている理由にも繋がります。
専門家としての判断が求められている
数字を見て判断するだけではなく、顧客に寄り添う姿勢が求められている仕事です。正解が無い業務に従事するので、専門家としての判断を顧客は求めています。ただし、顧客に迎合するというわけではありません。あくまで専門家としての立場を崩さずに顧客に合った方法を提案していきます。機械的な仕事にならないようにすることが必要です。
個人の体験を活かす
AIにはできないこととして個人の体験が挙げられます。これまでは所属している企業のブランドに依存していれば良かった時代でした。それだけで仕事が舞い込んでくるからです。これからは、個人のブランディングが求められています。1人の公認会計士として収益化できる業務を増やしておくことが求められています。
まとめ
単純作業は専門家が行う必要がないので、AIやサポートスタッフが行うようになるでしょう。むしろそのようにすることで作業の効率化が図れます。これまで以上に仕事を受注できるようになるでしょう。また、人のようにミスしないので、安心して作業を任せられます。そして、専門家としての判断が求められている場面では、これまでと同じように能力を発揮することが求められています。さらに、個人のキャリアを充実させることで、顧客から信頼を獲得することも可能になります。