公認会計士試験はどのくらい難しい?難易度と合格率を紹介!
日本の3大資格と呼ばれる公認会計士試験。会計系資格の最難関と呼ばれています。合格に必要な学習時間も多く、対策には多くの努力が必要です。公認会計士になるとさまざまなメリットが得ることができます。
収入面でも安定するうえ、さまざまなキャリアビジョンを描くことが可能です。今回は公認会計士試験の難易度、合格率などを紹介します。
公認会計士試験の難易度
公認会計士は、仕事の需要が高く、安定した収入や社会的ステータスを得られることで人気があります。一方で、医者と弁護士に並ぶ、三大国家資格のひとつであるため、資格取得は非常に難易度が高くなっています。公認会計士の仕事に就くと独占業務である会計監査を行えます。
そんな、公認会計士になるための試験は会計系資格の最難関資格といわれています。目指すうえで多くの方は難易度について知りたいと思います。ここでは試験の難易度と、難易度をはかるうえで、試験制度や試験の特徴についても合わせて解説しましょう。
公認会計士試験の制度
公認会計士試験には短答式試験と論文式試験の2段階の試験があります。その両方の試験に合格する必要があります。短答試験の科目は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目で、マークーシート方式の多肢択一式の試験です。短答試験の合格には一括でおおよそ70%の正答が基準(ただし40%未満の科目がある場合は不合格になる場合があり)。
論文式試験は記述式の試験です。財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法が必須科目で、経営学、民法、統計学から1科目を選択し受験します。こちらは総点数の52%程度が合格の基準といわれており、短答式試験と同様40%未満の科目がある場合は不合格とされます。
合格には多くの知識を短期間に身につける必要があり!
科目数も多く、計算問題や理論をしっかり身に付けなければならない科目も多く、公認会計士試験の難易度は他の難関資格試験とは性格が若干異なるようです。たとえば、財務会計論の計算問題は日商簿記1級の商業簿記のレベルよりも高い問題が出題されます。
かつ理論としては企業会計基準などをしっかり理解したうえで、答えを導くための深い思考力なども必要になります。単純な暗記、計算だけではなく論理的な思考や、実際、公認会計士として必要な知識も得る必要があるようです。会計科目以外にも法律科目や実践的な監査論など、科目ごとに対策の性格が異なっているのも対策が難しく難易度が高い要因となっています。
試験を合格するためには2年以上はかかるとされており、必要な勉強時間は3,000時間といわれています。1日あたりの勉強時間は4〜5時間程度です。長期的にしっかりと計画を立てて勉強時間を確保することが必要でしょう。
公認会計士試験の合格率
令和2年・令和3年試験結果
公認会計士試験の合格率は例年、約10%前後を推移しています。最新の令和3年試験は、願書の提出者が1万4,192人、短答式試験受験者が1万2,260人、短答式試験の合格者が2,060人、論文式受験者数が3,992人(短答式免除者が1,932人)、最終合格者が1,360人という結果で、合格率で9.6%でした(令和2年試験では、1,335人が合格し合格率は10.1%)。
短答式・論文式試験の合格率
試験式別の合格率を比較すると、短答式試験の合格率の方が低く、難易度が高くなっています。短答式試験に合格しないと論文式試験に進めないので、一次試験という位置づけに。短答式試験は例年、属人ベースでの合格率では20%台で推移しています。二次試験という位置づけの論文式試験はここ3年間だと約40%で推移しています。合格基準として偏差値換算で52なので、平均よりも少し上回れば合格となるようです。
公認会計士試験はどうして難易度が高いの?
公認会計士試験の難易度が高い理由は、勉強する内容が難しいのはもちろんですが、試験当日の受験科目の多さが関係しています。過去問題を通して傾向と対策をしっかりとしておくことが必要です。
専門性の高い業務
公認会計士の資格試験の難易度が高い理由として、公認会計士の主たる業務である監査業務があることが挙げられます。監査業務とは、企業が決算の時に作成する財務諸表の監督と検査のことです。
企業の経営状態がわかる会社報告書類であり、第三者の立場から適正な内容であるかを監査する必要があります。企業の信頼に関わる大切な役割を担うため、資格試験では複数科目の専門知識が問われるのです。
試験の日程やスケジュール
試験の日程やスケジュールは試験合格のために非常に重要な項目です。短答式試験の4科目については、12月と5月の年2回行われますが、4科目を1日で受験することになります。
1日ががかりで実施されるので、集中力を継続させることが必要で、体力も必要です。また、論文式試験は8月に行われます。こちらは年1回のみの実施で、5科目を3日間に分けて受験することになります。どの日程も1日がかりで受験することになるため、集中力が下がらないように鍛えておく必要があります。
翌日の試験のために切り替える力も必要です。また、学んだ知識を試験当日に最大限に活かせるように、戦略を立てなければなりません。知識を身につけることはもちろんなのですが、試験で結果を出すためには十分な対策が必要です。
公認会計士試験に合格するためには?
公認会計士の試験に合格するためには、当日の受験科目を余すことなく計画的に学ぶことが必要です。そのためには、自分に合った予備校探しが重要となります。
試験対策について
試験は短答式試験と論文式試験があります。短答式試験は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法に合格しなければなりません。論文式試験は、必須科目の財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法と、経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目を選択します。
難易度の高い公認会計士の試験に合格するためには、勉強時間を確保し、効率的に学ぶことが必要です。ただ、勉強する内容が多い分、勉強量を増やせば良いというわけではありません。着実に試験範囲の勉強を進めるためには、月や期間単位で目標を設定し、毎日の学習内容や時間を決めていく必要があります。
そのなかで、苦手な項目を見つけてきちんと克服していくことが重要です。設定した目標に向けて勉強を進めながら苦手と感じる部分に重点を置いて試験対策をしていきましょう。
また、過去問を問いていくことがとても重要となります。全ての範囲の勉強を終えてからではなく、学びを進めながら過去問に挑戦していくのが良いでしょう。苦手や課題が見つかって効率よく勉強を進められます。本番と近い形式の問題にたくさん触れておくことがポイントです。
自分に合った予備校を探そう
長期的かつ学ぶ内容の範囲の広さから、独学で勉強をするのは難しいのではないでしょうか。勉強の進め方や苦手を克服するための戦略は、予備校に行って学ぶことが必須といえるでしょう。予備校には、実際に教室に通う講座とオンラインで学べる通信講座があります。
テキスト選びや、2年間の学習計画を立てることはかなりハードルが高いことです。予備校を利用すれば、全て任せられるため最短期間で合格を目指せるでしょう。また、疑問点はすぐに質問でき、傾向と対策を知るために不可欠な過去問題に触れる機会も増せます。
一緒に学ぶ仲間がいればモチベーションの維持につながります。さらに、予備校で学んだことは実務を行う際に必ず役立ちます。ただ、試験のためだけに暗記をするのではなく、実用的な知識を身につけられるからです。
予備校を決める時には資料請求や体験授業を受けることで、雰囲気を知れますし、キャンペーンでお得に受講できることがあります。公認会計士の試験を受験したいと考えている人は、気になる予備校について調べてみることをおすすめします。
合格できれば多くのメリットが得られる
難関資格である公認会計士ですが、取得すると多くのメリットを得ることができます。公認会計士の魅力をいくつか紹介します。
高収入を得ることができる
公認会計士の魅力として高収入であるということがあげられるようです。会計について高度な専門的な知識を提供できるのは公認会計士に限られ、その対価として高い報酬が支払われます。
公認会計士の平均初任給は450万〜500万で企業の平均初任給242万と比較しても高額で、大学卒業後1年目で約2倍の差となります。また。全体の平均年収も7年程度の勤務年数で1,000万以上の年収を得る場合もあるようです。
安定的な生活
公認会計士は安定性が高い職業です。主要業務のひとつである監査業務は独占業務であり、好不況の影響が少ない業種となります。公認会計士に対する社会的なニーズは業界を問わず高いことから、監査法人での勤務以外にもさまざまな業界の最前線で活躍し続けることが可能であるといえます。
長期休暇がとりやすい
公認会計士の繁忙期は決算期後の4月〜5月。この期間に業務が集中しています。それ以外の時期の業務は比較的軽減でき、業務の少ない時期に長期休暇を取得することが可能です。休暇中に海外旅行に行ったり自分の趣味に時間を使ったりと、仕事とプライベートの時間をバランスよくとることができます。
まとめ
公認会計士試験の難易度、試験制度、合格率などを紹介しました。科目数も多く、科目ごとの対策方法も異なっており、難易度の高い資格。しっかり対策をすれば短答式試験では20%、論文式試験で40%と決して低い合格率ではありません。学習期間を決め、集中して対策することで合格も不可能ではありません。合格後、多くのメリットを得ることができる公認会計士、難関資格ですがチャレンジする価値のある資格の一つです。